公開: 2023年5月9日
更新: 2023年5月10日
近年、遺伝子分析の技術が進歩し、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスとのDNA配列の違いも分かってきました。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスのDNA配列には、ほとんど違いはなく、ごく一部に違いがあるだけです。そのDNA配列の一部に、FOXP2と名付けられている部分配列があり、その1個所に、異なる部分が見つかっています。
FOXP2の部分配列は、学習能力を高める機能を持っていると考えられています。FOXP2を付け加えたマウスは、そうでないマウスに比較すると、学習能力が高いことが、実験で明らかにされています。そのFOXP2の部分配列のごく小さな1文字の違いが、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの学習能力に差を生み、長期的には石器の改良に大きな差を生んだと考えられています。